大人になるまで、ずっと苦手だったもの、それは犬です。
小学校1年生だったと思いますが、祖母(当時 50代)と一緒に歩いていたら、向かいから大きな犬が歩いてくるのが見えました。
大の犬嫌いだった祖母は、犬の姿を見るや、私に
「あんたも早よ逃げや」
と一言言い残してさっさと逃げていきました。
(◞≼●≽◟◞౪◟◞≼●≽◟)
それから祖母とは心のお玄関だけのおつきあいになりました。
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さて、東京家庭裁判所で3月に起こるべくして起こった痛ましい事件がありました。離婚調停中の夫が家庭裁判所の手荷物検査場の前で妻を待ち伏せし、刺殺するという事件です。
安全を守るべくして開始したはずの手荷物検査。しかしこの検査場を作るのにはコストがかかるため、二か所あった入口を一か所に集約したために、必ず通らざるをえないこの入口で犯人は被害者を待ち伏せることができたのです。
裁判所も、DVの可能性がある事件については、一定の配慮はしてくれています。それは終わりの時に先に帰してくれる、といったものです。ですが、くるときに襲われてしまえばひとたまりもありません。
当事者の本当の恐れというものまで考えていないために起こったじたいなのではないかなとひそかに考えています。
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修習生になってもやっぱり犬は苦手でした。
世の中のすべての犬が、バスカービルの魔犬でした。
樹林公園という無駄に大きな公園が研修所の近くにあり、土日などに外出するにはどうしてもその公園をつっきる必要がありました。この公園には犬を連れた人がとても多く、中には、ドッグラン宜しくリードをつけないで放し飼いにされている方も散見されました。
私にとっては地雷原のような場所ですが、ここをつっきらないと駅までさらに遙か遠くなるので突っ切って歩いていました。
ある日、買い物帰りに通りかかったところ、鹿のごとく大きな白い犬ががこちらに突進してきました。大げさではありません。本当に腰丈くらいのボルゾイでした。
手に持っているのはしまむらの買い物袋だけ。武器どころか盾にもなりません。
喰われる・・・・ (◞≼●≽◟◞౪◟◞≼●≽◟)
さっき購入したしまむらの798円のシャツなら差し上げます、と袋をかかえ、ちび黒サンボのように辞世の句をつぶやく私。
と、お犬様は私の横をすり抜け、うしろの犬に飛びついていきました。
びびって損した・・・・
相手にされなかったのはしまむらの庶民だったからだろうかと思ったり。
人の心は複雑です。
その後、弁護士になってから予想外に犬嫌いが治るのですが、それは又今度お話しします。
平成31年4月22日 文責 弁護士 菊谷淳子
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